「45,000円という区切りに、危機感を持っている」武田理事長にブレはなかった。

報酬改定案が公開されました。
2月は各地を訪問させていただいていたこともあり、事業所の皆さんの声がストレートに飛び込んできました。
一様に厳しいコメントばかりです。
「加算は加算。いずれなくなることは覚悟していたとはいえ、やっぱりつらい。」
「頑張っているところが報われない。」
「うちは工賃が高くないので、正直、あまり減ることもなく、ほっとしている。」
「そもそも、工賃という一指標で報酬に差をつけることに無理がある。」

現場の大変さを知らないわけではないので、皆さんの言葉の生々しさが十分に伝わってきます。
そんな中、宮城県のはらから福祉会をお訪ねする機会がありました。
皆様ご存知の、食品加工で300人の利用者に平均5万円以上の高い工賃を出している、
「いい働く場」です。

開口一番、武田理事長はこう言いました。

うちは、法人全体で平均工賃が5万を超えている。
ほとんどが、45,000円以上なので、今回の報酬改定で単価の最も高いところばかりだ。
でも、これには強い危機感を持っている。
なぜなら、45,000円という数字を見て、我々が、「これ以上報酬が増えないなら、今のままで
いいじゃないか」と思ったら、おしまいだと思うからだ。
そう思ったら、目標70,000円に到達できなくなる。

目先の収入より、自分たちの高い志へのまなざし。
外部環境の変化に影響されることなく、ひたすら理想を追い求める姿勢。
言葉がありません。理事長の覚悟をまた見せていただいた、そんな瞬間でした。
「余裕があるから言えることでしょ」なんて思わないで、
受け止めませんか。同じ、支援者として。
報酬がどうあろうと、利用者の人生に関わり続けるこの仕事に、
覚悟をもって臨んでいらっしゃる皆さんにはきっと伝わるだろうと思って、
書かせていただきました。

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